ノウハウは会社ではなく、個人に蓄積する

「ノウハウは会社ではなく、個人に蓄積するから、経営者は常に成長し続けることをみせつけないといけない」というコメントを、先日、日刊工業新聞にご掲載いただきました。

日本と米国では企業の成り立ちや文化が異なるのですが、米国では8〜10年でキャリアを替えることを是とされています。一つの業務を身につけるうえで適当な年数と考えられているからです。

米国は、終身雇用を前提としていない雇用システムなので、個人にとっても、勤める会社が変わっても通用する能力、すなわち、ポータブルなノウハウを身につけるインセンティブがあるのです。それは、企業経営者もエクゼクティブにも同じことが言え、経営する会社が変わっても力を発揮できるノウハウを身につけなければなりません。

もちろん社内独特の文化を理解して、擦り合わせをするなど、「郷に入れば郷に従え」というように、環境に自分をローカライズするノウハウも必要ですが、他のところでも通用する普遍的なノウハウを優先してキャリアビルドするのです。優れた普遍的なノウハウをもつ人材がチームになって仕事をするので、どのようなチームに組み直しても機能しやすいのは米国企業の強みといえるでしょう。コンピューターで言えばみんな共通規格のコネクターを持っているようなものです。

どんなに人材が流動化しても会社は機能するし、良いノウハウは業界内で瞬く間に広まって浸透していきます。これが、米国企業群を強くし続ける秘訣のひとつなのではないでしょうか。