眼科領域研究とARVO

53日から7日まで開催されたARVOに、今年は2日間参加しました。今回は時間に制約があったので、学会の後半からの参加でしたが、同行したスタッフ達とも最先端研究を知る上で充実した2日間を過ごすことができました。

ARVOとは「The Association for Research in Vision and Ophthalmology, Inc. の略で眼科学会の中では権威ある学会の一つです1928年に73名の眼科医によりワシントンDCで設立された歴史の長い学会です米国ではARVOAmerican Academy of Ophthalmologyが双璧として知られています

私がはじめてARVOに参加したのは20年以上も前の大学院生時代で、主にポスタープレゼンテーションをやっていました。あれから毎年欠かさず参加をしています。ここ10数年はアキュセラの研究成果を我が社の研究者たちが発表をしていますが、私にとって嬉しいことです。

ARVOには眼科領域を専門とする研究者が多く参加をするので、交わされる質疑応答も、実験手法や、実験結果などの技術的なものが多いです。実験はしばしば論文に書いてある以外の部分で何気なくやっていることが重要だったりするので、実験がうまくいかない研究者にとっては、この学会がブレークスルーのチャンスにもなっています

また、この学会で出会ったことがきっかけで共同研究が始まったり場合によっては転職したりなど、人脈を形成しながらさらなる挑戦ができる環境を見つける研究者も少なくありません。研究費を配分する側の政府や団体から人が派遣されて見に来ていますので、将来研究費を獲得するために研究者はしのぎを削る場にもなっています。

ARVO や学会に参加すると時代の変化やテクノロジーの進化を感じることがよくあります一方で時代とともに研究内容に流行り廃りはあるものの洋服のファッションと同じように周期的に同じトピックがブームになっている印象は受けます例えば10年以上前に注目されていた遺伝子治療はしばらく下火になっていましたがここ最近の技術革新により盛り返してきていますヒトゲノム解析も同様に地道な研究開発の末遺伝子解析のコストが非常に下がったことが起爆剤となりよりパーソナルな医療を提供するための基礎情報として再び注目されています

まったく新しい医療技術もあれば、最先端の研究や技術をもって再ブームを迎える医療分野がある。それとは対照的に、アメリカでは高度な画像診断装置の普及とともに、あまり臨床現場で使われなくなった「網膜電図」という技術を私が熟知していたことが、2年間という限られた期間で「エミクススタト」という加齢黄斑変性治療薬候補となる化合物を見つけることに成功したという事例もあります。何が功を奏するかは研究者次第であり、その時に得られる環境しだいだということです。

 ARVO来年、シアトルで開催されることが決まっており、また参加できることを楽しみにしています。