NASAのディープスペースミッションに向け、 小型 OCT(光干渉断層計)の開発受託契約を締結

お久しぶりです。  窪田製薬ホールディングスCEOの窪田です。  今回は先日発表させていただきましたNASAとの共同開発に関するリリースについて詳しくお話させていただきたくブログを書くことにいたしました。   以下リリース文引用    窪田製薬ホールディングス株式会社(以下「当社」)は、当社 CEO の窪田良がアメリカ航空宇宙局 National Aeronautics and Space Administration(米国、以下 NASA)より有人火星探査を含むディープスペースミッションの Principal Investigator(研究代表者)に任命され、100%子会社のアキュセラ・インク(米国、以下「アキュセラ」)が、Translational Research Institute for SpaceHealth(TRISH)と小型 OCT開発受託契約を締結したことをお知らせいたします。これにより、当社は有人火星探査に携行可能な超小型眼科診断装置の開発を今後 NASA と共同で進めてまいります。なお、この契約に基づき、開発に要する費用は TRISH を通じて NASA より全額助成されます。以上    宇宙と人類   そもそも人類初の宇宙飛行は、1961年4月12日にソビエト連邦のユーリイ・ガガーリン少佐がボストーク1号に乗り地球を1周する「108分の旅」が最初です。彼の言った「地球は青かった」という言葉はとても有名な言葉として今でも多くの人に知られています。それから50年以上が経過し、宇宙飛行はもはや人類にとってそれほど未知の領域ではなくなりました。昨今ではイーロンマスクが民間企業の宇宙船として世界で初めて国際宇宙ステーションにドッキングすることに成功しました。それほど遠くない将来に月旅行を実現したいとも言っています、日本人起業家が一番最初の旅行客になることを表明したことも記憶に新しいことと思います。宇宙空間では重力の変化や放射線の影響により、人体には大きな負担がかかることが知られています。健全な宇宙飛行士であっても月に1パーセントの骨密度の低下が起こることが知られています。高齢者が一年分の骨密度低下が一月で起こる状態です。放射線暴露も地球の磁場に守られている低軌道の国際宇宙ステーションでも地上の数十倍で、月や火星では数百倍になると考えられています。あまり一般的には認識されていないかもしれませんが、それほど宇宙は過酷な場所なのです。ただNASAは宇宙医学研究を通して少しでも改善しようと日々努力しています。若田宇宙飛行士などが行った研究で骨密度の低下はある種の薬を投与することでかなり低減できることがわかってきました。   NASAの狙いと我々の取り組み   最近の研究で宇宙に長期滞在すると骨や筋肉だけでなく目にも影響が出ることがわかってきました。今回我々に”Space flight-associeated neuro-ocular syndrome (SANS)”という宇宙に長期滞すると60%の人に発症する目の病気を診断、解明し、ゆくゆくは対処法、治療法を開発するために白羽の矢が立ちました。我々の持つ網膜黄斑部の計測技術を視神経乳頭の計測に応用するというものです。  実は、NASAはかねてより米国民の税金から成り立つ莫大な国家予算を使って研究開発をしています。そのため、宇宙研究がゆくゆくは広く人類の役に立つことを強く期待しています。我々の技術がNASAの宇宙飛行士だけのためではなく、一義的には米国民、広く人類普遍的に使われる可能性のある技術であることが選定の重要条件でした。  黄斑部計測は加齢黄斑変性、糖尿病網膜症などの疾患の診断に役立つのに対し、視神経乳頭計測は日本で失明の第1位である緑内障の診断や様々な視神経乳頭部に異常を来す疾患の診断に役立ちます。我々は、黄斑部の次は視神経乳頭計測を行うことを念頭にデバイス開発を行っておりました。  目の病気の多くは初期には自覚症状が乏しく、自覚症状が出る頃にはかなり進行してしまっています。これらの病気の難しいところは一旦障害された網膜は修復や再生が行われないということです。網膜は脳の一部なので、脳梗塞やアルツハイマーと同様に一度損傷を受けて失われた脳細胞は再生できません。ですから、早期発見早期治療がより重要になってきます。病院に行かずに家庭で手軽に検査できることは、今までに比べて格段に早期発見できる可能性が高くなります。早期発見を行えば糖尿病網膜症であれば食事や運動などのライフスタイルの改善で治療可能ですし、緑内障は治療薬を早期から投与することにより良い視機能を維持することが可能です。  今回はこの開発費用がNASAから出るということで我々にとって渡りに船で大変シナジーのあるありがたい状況であります。  我々ベンチャーは限られた資金で開発を行っておりますので、まずは黄斑部計測が完成してから、視神経乳頭計測の技術を開発することを念頭にやって参りましたがNASAのおかげで同時並行で開発が進められますし、二つの機器で重複する技術もあるのでNASAからの開発費を有効に活用することにより黄斑部計測の開発費用の削減も期待されます。  また、網膜を検査することにより目の疾患だけてはなく、高血圧、糖尿病、最近ではアルツハイマーなど様々な疾患の早期発見につながることがわかって来ています。これは、網膜が唯一体の中で透明な組織で、外から非侵襲的に血管や神経細胞を見ることができるからです。内臓や脳はX線CTなどを使って影を見ることしかできませんが、直接可視化できる網膜は最先端光学技術の発展により様々な生体情報を得ることができるようになってきています。かつては高額で大型の計測装置でしか計測できませんでしたが、最先端の半導体技術を用いることで小型化低価格化が可能になってきました。  認可されるかされないかのall or nothingでハイリスクハイリターンの医薬品開発と違い、より成功確率の高い検査器の開発は我々の開発品目に関するポートフォリオマネージメントの観点からも重要だと考えています。  我々はこの技術を使って世界中の方々の健康情報、ビッグデータを分析して様々な価値を創造して行きたいと考えています。今までは医療機関が数ヶ月から半年に一度といった通院で計測して、バラバラに所有していたデータを、毎週、毎日、全世界の患者さんの目のデータをAIなどを用い一括管理して解析することによって今までには分からなかった、様々なことが明らかになる可能性が期待されます。  近い将来医師はこのようなメディカルデバイスの進歩によってデータサイエンティストとして莫大な生体情報を分析することによって、それぞれの患者さんに最適な医療を選択して提供するような時代が来ると私は考えています。  今回直接資金を供給いただくTRISHのミッションは、NASAから委託を受けてベイラー大学医学部がMITとCaltechの科学者と協力して研究者、技術者を発掘し、有人宇宙探査における宇宙飛行中の人体への健康リスクを軽減するために、地球上の最先端の科学と技術を結集し、戦略的に応用することです。  私たちは目が不自由なために数百メートル離れた眼科医に診てもらうことも困難な患者さんから、遠く2億キロ以上離れた宇宙飛行士まで遠隔で目の状態を検査することを目指します。長文にお付き合いいただきありがとうございました。引き続きよろしくお願いいたします。

お久しぶりです。

窪田製薬ホールディングスCEOの窪田です。

今回は先日発表させていただきましたNASAとの共同開発に関するリリースについて詳しくお話させていただきたくブログを書くことにいたしました。

以下リリース文引用

窪田製薬ホールディングス株式会社(以下「当社」)は、当社 CEO の窪田良がアメリカ航空宇宙局 National Aeronautics and Space Administration(米国、以下 NASA)より有人火星探査を含むディープスペースミッションの Principal Investigator(研究代表者)に任命され、100%子会社のアキュセラ・インク(米国、以下「アキュセラ」)が、Translational Research Institute for SpaceHealth(TRISH)と小型 OCT開発受託契約を締結したことをお知らせいたします。これにより、当社は有人火星探査に携行可能な超小型眼科診断装置の開発を今後 NASA と共同で進めてまいります。なお、この契約に基づき、開発に要する費用は TRISH を通じて NASA より全額助成されます。以上

宇宙と人類

そもそも人類初の宇宙飛行は、1961年4月12日にソビエト連邦のユーリイ・ガガーリン少佐がボストーク1号に乗り地球を1周する「108分の旅」が最初です。彼の言った「地球は青かった」という言葉はとても有名な言葉として今でも多くの人に知られています。それから50年以上が経過し、宇宙飛行はもはや人類にとってそれほど未知の領域ではなくなりました。昨今ではイーロンマスクが民間企業の宇宙船として世界で初めて国際宇宙ステーションにドッキングすることに成功しました。それほど遠くない将来に月旅行を実現したいとも言っています、日本人起業家が一番最初の旅行客になることを表明したことも記憶に新しいことと思います。宇宙空間では重力の変化や放射線の影響により、人体には大きな負担がかかることが知られています。健全な宇宙飛行士であっても月に1パーセントの骨密度の低下が起こることが知られています。高齢者が一年分の骨密度低下が一月で起こる状態です。放射線暴露も地球の磁場に守られている低軌道の国際宇宙ステーションでも地上の数十倍で、月や火星では数百倍になると考えられています。あまり一般的には認識されていないかもしれませんが、それほど宇宙は過酷な場所なのです。ただNASAは宇宙医学研究を通して少しでも改善しようと日々努力しています。若田宇宙飛行士などが行った研究で骨密度の低下はある種の薬を投与することでかなり低減できることがわかってきました。

NASAの狙いと我々の取り組み

最近の研究で宇宙に長期滞在すると骨や筋肉だけでなく目にも影響が出ることがわかってきました。今回我々に”Space flight-associeated neuro-ocular syndrome (SANS)”という宇宙に長期滞すると60%の人に発症する目の病気を診断、解明し、ゆくゆくは対処法、治療法を開発するために白羽の矢が立ちました。我々の持つ網膜黄斑部の計測技術を視神経乳頭の計測に応用するというものです。

実は、NASAはかねてより米国民の税金から成り立つ莫大な国家予算を使って研究開発をしています。そのため、宇宙研究がゆくゆくは広く人類の役に立つことを強く期待しています。我々の技術がNASAの宇宙飛行士だけのためではなく、一義的には米国民、広く人類普遍的に使われる可能性のある技術であることが選定の重要条件でした。

黄斑部計測は加齢黄斑変性、糖尿病網膜症などの疾患の診断に役立つのに対し、視神経乳頭計測は日本で失明の第1位である緑内障の診断や様々な視神経乳頭部に異常を来す疾患の診断に役立ちます。我々は、黄斑部の次は視神経乳頭計測を行うことを念頭にデバイス開発を行っておりました。

目の病気の多くは初期には自覚症状が乏しく、自覚症状が出る頃にはかなり進行してしまっています。これらの病気の難しいところは一旦障害された網膜は修復や再生が行われないということです。網膜は脳の一部なので、脳梗塞やアルツハイマーと同様に一度損傷を受けて失われた脳細胞は再生できません。ですから、早期発見早期治療がより重要になってきます。病院に行かずに家庭で手軽に検査できることは、今までに比べて格段に早期発見できる可能性が高くなります。早期発見を行えば糖尿病網膜症であれば食事や運動などのライフスタイルの改善で治療可能ですし、緑内障は治療薬を早期から投与することにより良い視機能を維持することが可能です。

今回はこの開発費用がNASAから出るということで我々にとって渡りに船で大変シナジーのあるありがたい状況であります。

我々ベンチャーは限られた資金で開発を行っておりますので、まずは黄斑部計測が完成してから、視神経乳頭計測の技術を開発することを念頭にやって参りましたがNASAのおかげで同時並行で開発が進められますし、二つの機器で重複する技術もあるのでNASAからの開発費を有効に活用することにより黄斑部計測の開発費用の削減も期待されます。

また、網膜を検査することにより目の疾患だけてはなく、高血圧、糖尿病、最近ではアルツハイマーなど様々な疾患の早期発見につながることがわかって来ています。これは、網膜が唯一体の中で透明な組織で、外から非侵襲的に血管や神経細胞を見ることができるからです。内臓や脳はX線CTなどを使って影を見ることしかできませんが、直接可視化できる網膜は最先端光学技術の発展により様々な生体情報を得ることができるようになってきています。かつては高額で大型の計測装置でしか計測できませんでしたが、最先端の半導体技術を用いることで小型化低価格化が可能になってきました。

認可されるかされないかのall or nothingでハイリスクハイリターンの医薬品開発と違い、より成功確率の高い検査器の開発は我々の開発品目に関するポートフォリオマネージメントの観点からも重要だと考えています。

我々はこの技術を使って世界中の方々の健康情報、ビッグデータを分析して様々な価値を創造して行きたいと考えています。今までは医療機関が数ヶ月から半年に一度といった通院で計測して、バラバラに所有していたデータを、毎週、毎日、全世界の患者さんの目のデータをAIなどを用い一括管理して解析することによって今までには分からなかった、様々なことが明らかになる可能性が期待されます。

近い将来医師はこのようなメディカルデバイスの進歩によってデータサイエンティストとして莫大な生体情報を分析することによって、それぞれの患者さんに最適な医療を選択して提供するような時代が来ると私は考えています。

今回直接資金を供給いただくTRISHのミッションは、NASAから委託を受けてベイラー大学医学部がMITとCaltechの科学者と協力して研究者、技術者を発掘し、有人宇宙探査における宇宙飛行中の人体への健康リスクを軽減するために、地球上の最先端の科学と技術を結集し、戦略的に応用することです。

私たちは目が不自由なために数百メートル離れた眼科医に診てもらうことも困難な患者さんから、遠く2億キロ以上離れた宇宙飛行士まで遠隔で目の状態を検査することを目指します。長文にお付き合いいただきありがとうございました。引き続きよろしくお願いいたします。